メンバー

ゲラー ロバート

GELLER, Robert

教授
固体地球科学講座

居室: 理学部新1号館714
電話: 03-5841-8791
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研究分野

地震学

研究内容

我々の研究の主要目的は地震波形をデータとして用いて、地球の3次元内部地震学的構造(地震波の速度、密度、などの分布)を推定することである。内部構造を正確に把握することは、地球ダイナミクスの理解に大いに貢献する。我々の3次元内部構造の推定は逐次的手法によって行われる。各反復では3次元初期モデルに対する理論波形を計算し、それらを観測波形と定量的に比較して、残差を減らすため、線型近似を使って、初期モデルに与える修正を求める。各反復で得られた修正済みモデルを次の反復の初期モデルとし、収束に至るまで反復を繰り返す。実体波の走時や、表面波の位相速度のような2次的なデータのみを用いる推定手法とは異なり、波形インバージョンでは観測された波形に含まれる全ての情報を利用することができる。我々のこれまでの研究では(以下の1番ー3番文献を参照)、3次元地球内部構造の波形インバージョンを行うために必要な、高精度でかつ効率の良い波形計算手法及びそのソフトを開発してきた。その波形の計算手法の導出は、我々が導いた弾性体の運動方程式の数値解の誤差を評価するための理論に基づいているのである。以上の主要研究テーマに加え、私は正確な地震予知(一般的に、十分な信頼性及び精度をもって、ある特定の地震の発生場所、時間及び規模を前もって予測すること、と定義される)が可能かどうかについて考察してきた。過去35年間の国内・海外で行われた予知研究の詳細なレビュー(以下の参考文献4)に基づいて、現時点では、その可能性はほとんど皆無であるという結論が得られた。また、このレビューの他に、一般物理の観点から議論すると、破壊現象は非線形現象であり、初期状態におけるわずかな相違によって、その破壊の広がりが極端に変動することも考慮するなら、現時点及び近い将来に正確な予知ができる可能性はきわめて低いといえよう。それゆえ、地震災害を軽減するため、予知研究ではなく、リアルタイム地震学や構造物の耐震基準を設定するための地震学的研究などに取り組むべきである。現在、私は他の分野の研究者とともに、このような研究を行っている。

主要論文・著書

1. Hara, T., and R. J. Geller, Simultaneous waveform inversion for 3-D Earth structure and earthquake source parameters considering a wide range of modal coupling, Geophys. J. Int., 142, 539-550, 2000.
2. Takeuchi, N., R. J. Geller, and P. R. Cummins, Complete synthetic seismograms for 3-D heterogeneous Earth models computed using modifed DSM operators and their applicability to inversion for Earth structure, Phys Earth Planet. Int., 119, 25-36, 2000.
3. R.J. Geller and N. Takeuchi, Optimally accurate second order time domain finite difference scheme for the elastic equation of motion: 1-D case, Geophys. J. Int., 135, 48-62, 1998
4. 原達彦、R.ゲラー (2000). 地震波トモグラフィによる「地球物物質科学」、「パリティ」誌、2000年12月号、116-117頁.
5. 竹内希, R.ゲラー, 水谷宏光 (1998) 高精度理論波形計算による逐次的な3次元地球内部構造推定の可能性について,月刊地球 20, 783--786.